京都府向日市で長年修理ユニットとして活動し、さらにブーストアップして修理工房をスタートポイントとして P.A.C は2000年の1月1日に京都市中京区に誕生しました。
P.A.Cのシステムの中核となるのが、古いものの修復がテーマの販売店舗であるPro Antiques "古夢"。さらに「PAC tenkuu」という商品仕入れチーム、「PAC Renovate」という店舗制作や制作修理を行う工房の三つが組み合わせて、三位一体のシステム P.A.C が誕生しました。
一般市場。つまり、ごく普通におこなわれている展開として、アトリエ工房やショップの多くは単体で機能しています。たいていが品物を仕入れて購入し、単に仕入れて手を入れて売るという転売を主体に営業しています。
先人たちが残してきた古いモノに対して、今の私たちが何をできるのかと捉えた場合に、「いま」の私たちの取り組みとしてそれで良いのだろうか?。と私たちは考えました。
特に古いものや建物、あるいは土地についてののアプローチ際して、もう一度自分達が積極的に意味を見つけ出せるのではないのか?という起発点から出発しました。
大切だと思うものを守るだけできなく、「今」の中での時間軸と空間軸上で再定義を行いえるという能動の可能性に気づきえれば、その先には、実用の事物として「今」を活着できる様な変革へと到達できるのではないのか?と、「古い時間」の中に自分達の地図を広げたのです。
特に地方の自活力がグローバルな接続により自己継続の意味を後退させ、さらに民俗の遺習とアンティークや民芸についての柳家や白洲夫妻の文脈が歴史上の「今」を失う中で、強い危機感が芽生えました。
冷戦構造崩壊以降に時代のその先への手応えを失って久しいことへの焦燥もそこに重なります。民俗も民族もどこに行くのでしょうか。どこかに導き得るのでしょうか?。
自分達が直接、歴史をその手でたぐりよせ、修復について分析し研鑽し、徹底的な修復やリノベーションや制作、さらには「わたし」に連続する日本のものに特化してそれを再定義いくということの重要性。またはそもそも日本の「時間軸」をデザインし作り出していくことへの挑戦。
つまりアナログ軸での情報の解析と企画から始めて製造・販売までを一貫して統合的に組み合わせるという試みに魅了されると同時に、それは手探りであり、同時に意義深いコトであるはずだと感じたのです。
ただし、そこでは常に持続的なモチベーションの保持と時間をみつめるセンスがひつようです。さらには実戦本位の手仕事の実力が必須であり、時間のもたらす分解作用に向き合いながら、なお常にそこから貪欲に挑戦を続けることを意味しています。
つまり「古いもの」との対峙は実は遭難も辞さない恐ろしい冒険でもあるはずです。
2019年からはそこに「P.A.C farm "EBISU"」が加わり、一次産品の製作と加工に着手しました。なり難い道です。
私たちは修理工房が発祥であるだけに「手作り」と「伝える」ということをイメージワードに日本の「これから」について考え、自分達自身の手で少しづつ価値を創り、そして次世代に継なげつづける活動をみつめようと考えています。
私たちの時間への一歩は今踏み出されたばかりです。
文責・Hiroaki.Inohana